死亡保険

死亡保険として、定期保険と、終身保険がありますが、ここでは、この2つについて説明します。

定期保険

定期保険とは、最もシンプルな保険金で、10年などの一定の保険期間に被保険者が死亡もしくは高度障害になった場合にのみに保険金が支払われる保険のことです。満期保険金はありませんがその分保険料が安いため、死亡したときの遺族保障だけで十分だという人に適した保険です。

特徴としては保険期間が1年、5年、10年、または50歳まで、60歳までと決まっていて、この期間に保険料を払い、この期間になくなったときだけ死亡保険金が支払われるという掛け捨て型の保険です。保険金額が同じであれば期間が短いものほど保険金は安くなります。

ちなみに保険期間が短いもの(期間が1年、5年など)は自動更新ができるのが一般的で、更新するたびに保険料は高くなります。保障期間が長いもので保障金額が変動しないものを「長期平準定期」、保障額が少しづつ増えていくものを「逓増定期」、逆に保障額が少しづつ減っていくものを「逓減定期」といいます。

定期保険はなんといっても保険料が安いのが特徴で、同じように死亡保障を目的とした「終身保険」や「養老保険」よりもずっと保険料は安いですが、掛け捨ての保険で満期保険金もないので貯蓄をかねて保険に入りたい人には向いていません。加入するとき「保障期間」と「保障金額」はよく考えて契約することが大切です。一般的には子供が成人するまでの保障期間としている人が多いです。

また更新すると保険料が高くなるので、最初から期間の長いものに加入したほうが得なことも多いのでどちらにするかよく考えることをおすすめします。また定期保険の解約返戻金はまったくゼロか極めて定額なものとなっています。定期保険の解約返戻金はないもの(定期保険に貯蓄性はない)と思っておきましょう。

終身保険

終身保険とは、被保険者が死亡もしくは高度障害になった場合にのみに保険金が支払われる保険のことです。定期保険の場合、「保障の期間は10年」というように、一定期間しか保障はありませんが、被保険者が死亡するまでずっと保障が続きます。定期保険金と同様に満期保険金はありません。遺族保障もほしいけど、長生きしそうだという人に適した保険です。

その名の通り被保険者が生きている限り保障があり、満期はないので、本人が保険金を受け取るということはありません。どうしても受け取りたいのであれば途中で解約することになります。当然保障もそこで終わります。

この保険は「自分が死んだときに家族の生活費や葬式代を保険金で残したい」「多額の相続税がかかるので、相続税支払いの資金を保険金でまかないたい」という人に向いています。逆に「自分で保険金を受け取りたい」「保険料をできるだけ安く抑えたい(安く抑えたい人は「定期保険」がおすすめ)」という人には向いていません。

もし貯蓄目的であれば「養老保険」や「年金保険」も検討してみることをおすすめします。定期保険では解約返戻金がほとんどありませんが、終身保険ではそれなりの金額となります。解約返戻金の金額は契約時に確定し、約款の最後に金額例表が提示されているのが普通で、「経過年数が○○年のときは、解約返戻金の金額は△△円です」とわかりやすく記載されています。

定期付き終身保険

正式名称は「定期保険特約付き終身保険」です。「終身保険」に特約として「定期保険」がついた保険のことです。ほとんどのサラリーマンが加入しているのではないかと思いますが、いわゆる終身保険で一生涯の保障を確保しつつ、保険料の安い定期保険で若いときの保障を厚くするという特徴があります。

掛け捨てはいやだけど大きな保障が欲しい、でも保険料は安くしたいという人の要望に答えた保険といえます。このような特徴があることから「死亡したときに家族の生活費を残したい」「掛け捨てはいやだけど保険料は安くおさえたい」「ほんとは終身保険にはいりたいが保険料が高くてはいれない」といった人に向いています。逆に「保険で貯蓄もかねて老後資金も貯めたい人」「保険金を自分で受け取りたい人(満期の保険金はありません)」「生涯変わらない保障を求めている人(定期期間が終わると保障金額は大幅に下がります。それがいやであれば終身保険をおすすめします)」「相続税の支払いに保険金をあてたい人(相続税のためなら終身保険です)」には向いていません。

また加入するときのポイントとしては「終身保険」と「定期特約」に割合をどうするか、定期特約は「全期型(当初の保険料は高いが保険料は常に一定)」にするか「更新型(加入時の保険料は安いが更新時に値上がりするためトータルでは全期型より高くなる)」にするかについてもしっかり考えておくことが大切です。

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